第17章 Rolling Days
櫻井side
事務所側の対応がどうなっていたのかを
静かに話す専務。
専:「あのお嬢さんね、
大野のことを押し倒して
自分のものにしようとしたらしいの。
大野の方は昔のことを思い出して
パニックになって咄嗟に
はねのけたって。
相手が女の子でも大野よりも長身だし
軽く盛って無理矢理って…。
あのお嬢さん、それで怪我したって
大野に金をせびって、
あのマンションに居座って、
豪遊してたらしいの…」
専務が言ったことが本当だとするならば…。
「潤…あの日の智くん…」
思い出した潤からのメール。
M:「うん…多分…」
実際にうなされていた智くんを見ていた
潤が辛そうな顔をしている。
A:「あの…専務。
いつ今日のことを伝えたんですか?」
重くなる空気を壊すような雅紀の声。
そうだ、それを聞かないと…。
専:「昨日の夜に伝えたわ。
公演が終わって戻ってきた後に。
マネージャーを通してね」
N:「昨日の夜?それって…。
智に口止め、してたんですか?」
専:「ええ、もちろん」
さも当たり前のように頷く専務。
ニノはそのまま黙り込んでしまった。
昨日の夜ってことは…
5人で集まった時には既に言われてたんだ。
今日のこと、わかってたんだ。
昨日の智くんの表情が
次々と思い出されて…。
どんな思いでいたんだろう…。
昨日の夜この部屋で智くんが見せた
儚げな笑顔。
あのとき感じた予感は…
間違ってなかった。
でも俺は…
気づくことも止めることも
出来なかったんだ…。