第17章 Rolling Days
櫻井side
M:「智さんのマンションは?」
チ:「すでに処分してあります。
荷物は暫定でコンテナに預けました。
新しい物件は会社の方で選定中です」
専務の代わりにチーフが答える。
A:「大ちゃんの荷物、
家具は無理だとしても細かいものは
家に運ぶことはできませんか?」
雅紀が辛そうな顔のままチーフに聞いた。
A:「置き場所…あるし」
シェアハウスの事情をわかってる
チーフにだからこそ言えること。
チ:「わかりました。
運べるものだけですが…。
画材や洋服などは既にホテルに
運んでいますので」
N:「ねぇ、いつまでホテルにいるの?
事務所が新しいマンションを
契約するまで?
家に帰って来れないの?」
和がゆっくりと2人に問いかける。
専:「しばらくは無理ね。
あんな記事が出たから今、大野は
マスコミ狙われてるわけだし。
あの会見ぐらいでマスコミが
引き下がる訳ないのは貴方たちも
わかるでしょ?
これであの家に帰したら
それこそ貴方たちの共同生活が
バレかねないわよ。
そしたらずるずると
その経緯まで探られる。
それは会社にとってマイナスなのは
間違いないけど…。
なによりも大野のバランスが
崩れるでしょ?
それぐらいわかるわよね?」
まるで小さな子どもに
言い含めるように言う専務。
専務がこういってる以上、
智くんのホテル暮らしは
しばらく続くことになるんだろう。
どうしたらいいんだろう…。
どうしたら…智くんを守れるんだろう…。
俺は…。
俺たちは…。
<Rolling days End>