第17章 Rolling Days
櫻井Side
打ち上げは深夜まで続いた。
智くんのことは気にかかってたけど、
専務に仕事だと言われたのもあって
最後まできっちり付き合った。
みんなもこの時間はきっちり
アイドルの顔をしてた。
内心はどうだかわからないけど…。
俺自身、その場にいたけど
正直集中してた訳じゃない。
ちょっとした瞬間に考え込んでしまう。
専務はマンションを引き払ったって
言ってた。
今日も俺たちが気がつかないうちに
会場を出ていた智くん。
智くん自身はいつの時点で
それを告げられたんだろう?
考えないようにしようと思っても
何度も頭をよぎる。
ニノたちもそんな俺に
気づいているんだろう。
その度になんとなくフォローしてくれた。
これが終われば専務と話して
もう少し詳しく聞ける。
そうすれば少しはこのモヤモヤも
消えるだろうか?
今ごろ、どの辺を走ってる?
少しは眠れてる?
しばらくはホテルって…
それで貴方は本当に平気なの?
そもそもそこまでの罰を受ける必要が
あるんだろうか?
小さなステージでニノと相葉くんが
いつもの漫才もどきを始めてる。
それをぼんやりと眺めながら目の端に映る
その人のもとに歩み寄る、
「専務、あの…」
専:「もう少しでお開きになるわ、
それまで待って?」
口を開いた俺を遮るようにバッサリと
切り捨てるような口調の専務。
専:「大野の部屋、
まだ使えるようになってるから。
終わったらいらっしゃい。
言いたいこと、あるんでしょ?」
そう言うとスタッフの集まる方に
行ってしまった。