• テキストサイズ

しあわせはここにある【気象系BL小説】

第17章 Rolling Days


櫻井side

思いのほか大きく響いた俺の声に
松潤の声が重なる。


M:「え?大野さん?いないよ、ここに」


扉の先にはバスタオルを肩にかけた
松潤だけだった。


「ごめん…ねぇ、智くん知らない?」


M:「いや、シャワールームには
  いなかったけど」


「え?じゃぁどうしたんだろう?
 どこ行ったんだ?智くん」


開いたドアから廊下の音が聞こえた。

こつこつと聞き覚えのある
高いヒールの音が近づいてくる。

そして声が響いた。


専:「大野なら東京に戻ったわよ」


入ってきた専務が開口一番、
衝撃的なことを言った。

想像もしてなかったことが告げられて
俺たちは一言も発することが
出来なかった。

時が止まったような部屋で
ただ一人平然とした顔をしている専務。


専:「ほら、
   貴方たちは移動の準備をして?」


なにもなかったように俺たちに指示を出す。

その様子に止まってた時が動き出す。


「あの、ちょっと待ってください。
 帰ったって?どういうことですか?」


専:「どういうことって言葉の通りよ。

   大野は東京に返したわ。
   あのマンションも引き払ったから
   しばらくホテル暮らしの予定よ」


専務の口から次々と告げられることに
頭も感情もついていかない。

どういうこと?

とりあえずここに智くんがいないのは
わかった。

その先は…?


専:「とにかくもう時間だから、
   そろそろ車に行って?」


専務の声が冷たく響いた。
/ 1081ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp