第17章 Rolling Days
大野side
N:「智、とりあえず笑って。
どんな顔してたってどのみち
なんかしら言われるから…。
それならアイドルらしい顔して」
中継のカメラを縫うようにニノがこっそり
話かけてくる。
ニノの瞳が心配そうに揺れてた。
なんでおいらの気持ちがわかったの?
「えっ?あぁ、うん…。
ごめん。大丈夫。
ちょっと緊張してるだけ」
N:「わかるけど…。とりあえず笑えや」
そう言ってちらっとおいらのケツを触る。
「うぉっ!」
N:「緊張解れたでしょ?
ファン以外も見てるから…。
あの会見で全て終えたって顔してて。
大丈夫だから」
「うん」
小さく頷いて気持ちを切り替える。
これも自分が招いたこと。
MCが終わってスタンバイする。
伴奏が流れ始めたら
もうその世界に包まれる。
ひたすら笑顔で歌って踊った。
いつものキメ顔も多少の堅さはあったけど
クリアした。
いつものクオリティを提供する。
それはクリア出来たと思う…。
そのまま、最後まで突っ走る。
雨がお約束の野外なのに
今回は降らなかった。
すごくありがたかった。
天候なんておいらたちの力で
どうこうなるものじゃないけど…。
夜は冷える東北で雨に降られたらと思うと
申し訳なさすぎるから…安心した。
空を見ながらそれぞれの挨拶を聞いていた。
明かりの落ちたステージ。
メンバーに当たるスポットライトと
星空が凄く綺麗だった。
めっちゃ感動して泣きそうだったのを
なんとか誤魔化した。