第17章 Rolling Days
大野side
翌日…。
ものすごく長く感じた宮城での日々も
今日で最後。
朝からリハーサル。
今日はテレビの生中継がある。
中継スタッフとのリハーサルの合間に
出演予定の高校生たちに会ったり、
取材に応じたりと案外忙しい。
でも忙しいのは嬉しかった。
その間だけは嫌なことを全て
忘れられるから。
初日は不安だった、出の位置。
今は少しも不安を感じない。
イヤモニ越しに聞こえるみんなの声が
おいらを支えてくれる。
まずはこのコンサートを成功させる。
それが一番大事だから。
今日は無事にフライングシステムも使えた。
最後だからと怖がる翔ちゃんを見たくて
みんなでいつもよりも派手揺らした。
雅紀も和も潤も翔ちゃんも
終始キラキラした顔ですごく眩しかった。
おいらも一生懸命、歌って踊って
ファンサービスもして…。
相変わらず、きついウチワはあった。
それもきっちりと見た。
おいらに宛てられた言葉。
それだけのことをしたんだから…。
そう思ったらそれさえも素直に飲み込めた。
今日は途中で生放送の回線が繋がる。
正直、怖い。
会見で言葉は発したけど一体どんな顔で
テレビに映ればいいんだろう?
時間になって東京と中継が繋がった。
小さなモニターに東京のスタジオの様子が
映し出される。
イヤモニごしに聞こえる声。
翔ちゃんと潤くんが話をして進行する。
隣にいる和がマイクに入らないように
手で押さえながら話しかけてきた。