第17章 Rolling Days
櫻井side
突然、座り込んだ智くんの行動に驚いた。
そのあとに続いた言葉。
報道が出てすぐに事情は聞いた。
けど、俺たちそれ以上聞きもしなければ
言いもしなかった。
もしかしたら…それが智くんを苦しめてた?
もっと早く、話せばよかったのか?
そう思いながらもスケジュールを
動かせなかったのも事実。
ようやく揃う今日だって…。
正直、今回の報道で智くんのことを責める
気持ちはない。
それは他のみんなも一緒だ。
多分恐かったんだ、俺たち…。
この話を出して智くんが最悪の決断を
するんじゃないかって…。
そんなことあり得ないと言いながら
信じてると言いながら…恐かったんだ…。
ずっと一緒だから言わなくても分かるって
どっかで勝手に思ってた。
「智くん、そんなにさ、自分を責めないで。
俺たちさ、智くんのこと責める気ないよ。
もう、充分苦しんだでしょ?
辛かったよね。
智くんだけのせいじゃないのにね」
隣にいる智くんに手を伸ばし
柔らかな髪に触れ、指を通す。
何度も心を熱を伝えるように撫でる。
「ごめんね、智くんのことちゃんと
見てるって、守るって誓ったのに…。
智くんが悩やんでたのさえわからなくて
ごめんね」
俺の本心だった。
この人を傷つける全てのものから
守りたかった。
こんな風に傷つき、
今にも消えてしまいそうなそんな姿を
見たくなかったのに…。
エゴだと解ってても悔しかった。