第17章 Rolling Days
大野side
アルコールでボーッとした頭。
このまま、全部忘れられたら幸せなのに。
和の、潤くんの、相葉ちゃんの唇から
伝わってきた気持ち。
そのまま委ねて夢にしてしまえれば
どんなに楽なんだろう…。
そう思ったのに出来なかった。
みんなが来る前チーフから告げられた事。
当たり前だけどそれに否を唱える権利は
おいらにはない。
部屋にみんなが揃って、それだけで
すごく心が温かくなったけど、
明日の事を考えるだけで
その温度が一気に下がる。
ボーッとする頭を顔を洗って覚醒させる。
逃げてても仕方ないから。
ちゃんと…謝りたい。
そう思ってみんなのもとに戻った。
「今回のおいらの記事の事…。
みんなに迷惑かけてごめんなさい。
ずっと前からみんなで考えて
準備して『最高のものを』って
頑張ってきたのに…。
おいらがなにも考えずに流されて
自分の立場とか、回りに与える影響とか
そんなことを一切考えず、
無自覚にいろんなものに甘えてて、
そんな自分にさえ気がつきもしないで…。
僕たちにとってすごく大切な場所で、
大好きな場所であるコンサートで
みんなに悲しい顔をさせて心配させて
本当にごめんなさい。
もっと早くちゃんと…ちゃんとみんなに
話さなきゃいけなかったのに…。
逃げてごめんなさい。
優しさに…甘えてごめんなさい。
迷惑かけて…ごめんなさい」
言いながら泣きそうになる。
怖くてみんなの顔を見ることも出来ない。
そんな権利…ないのかもしれない…。