第17章 Rolling Days
二宮Side
「智は?それでいいの?」
まずはそこだろう?って思って
俺は大野さんに振る。
S:「智くん、今日は一緒に寝よ?
智くん不足でおかしくなりそうだよ」
O:「しょうくん?いっしょにねるの?」
眠そうに聞く大野さん。
S:「だめ?」
O:「だめじゃない…けど」
S:「別に何もしないよ?
さすがにコンサート中だしね?
ぎゅってするだけならいいでしょ?」
O:「……うん」
いつになく歯切れの悪い智。
ねぇどうしたの?
O:「あのさ…ごめん、ちょっと待ってて」
そう言うとまーくんの腕から出て
洗面所の方に歩いていった。
蛇口から落ちる水の音が聞こえる。
俺たちはそれぞれビールを手にしたまま
ただ、智が戻ってくるのを待っていた。
しばらくして…
タオルで顔を拭きながら智が戻ってきた。
そして俺たちの方に向くと
その場に座り込む。
床に跪き、視線が床に落ちる。
「えっ、ちょっと」
M:「なにしてんの、智さん!」
A:「大ちゃん、顔上げて」
S:「智くん、どうしたの?気分悪い?」
智は首を振り、翔ちゃんの言葉を否定する。
O:「違うの…。そうじゃない。
でも、そのまま…聞いて…欲しい」
智の絞り出すような声に
俺たちは動けなくなった。
俯いてるから表情がみえない。
それが余計に空気を重くする。
その重さが智が何を話そうとしてるのかを
俺たちに突き付ける。
あの報道のあと俺たちは直接、
智に何も言っていない。
そして智も…。
お互いにどうするのがいいかわからなくて
そこに触れるのを怖がった結果だった。