第17章 Rolling Days
松本side
ちょっと目がとろんとして眠そうな智くん。
だから言ってみたけど、首を振って嫌がる。
O:「いい、おいら起きてるもん!」
「そ?じゃ飲む?
相葉くんのビスケットもあるしね?
戻ってくる前に全部食べちゃおうか?」
笑いながらいうと、こくんと小さく頷く。
…ほんと、この人可愛いよな。
普段はわりと男っぽいのに…。
そんなだけ辛いんだよね…。
いつもよりも小さく見える身体。
ステージにいるときはあんなに大きく
頼もしく見えるのに…。
「さーとーし?
ねぇもっとこっちにおいでよ」
ちょっと離れたところにちょこんと座る
智くんに言う。
「俺一人じゃ寂しいじゃん?ね?」
O:「うーん。じゃ行ってあげる」
ふにゃふにゃ笑いながらこっちに来る。
その顔はバッと見いつも通りだけど…
なにか違和感がある。
智、なにがあった?
俺が来る前になんかあったの?
喉まで出掛かるその疑問を口にすることは
できなかった。
聞いたら…何かが壊れそうで怖かった。
怖かったから…
甘えるふりして智くんに抱きついた。
O:「ん?潤くんどうしたの?
打ち合わせ、なんか嫌なことあった?」
この人は…。
優しすぎるんだよ。
だからつけこまれる。
あんなことがあったのに…
それでも人を信じるんだね。
「なにもないよ。
打ち合わせは無事すんだし。
明日にはシステムも動くよ?」
そのまま、智くんの体を抱きしめた。