第4章 悪い夢 side O
S:「智くん、仕事のことは
心配しなくて大丈夫だからね。
俺たち4人で智くんの場所、守るから。
元気になって戻って来て!
あっ、でも慌てなくて大丈夫だからね」
笑顔で俺に語る翔ちゃん。
俺の場所……
それってまだあるの?
いない方がいいんじゃないかな…?
「櫻井くん、あの…さ、
いろいろ…ありがとう…。
俺、もう…大丈夫だからさ…。
明日、仕事あるでしょ?」
言外に帰ってくれと訴える。
S:「あっ、ごめん。疲れてるよね。
俺、帰るわ。
あっでもなんかあったら
いつでも連絡して!
ニノでも相葉くんでも松潤でも…
時間とか気にしないで大丈夫だから。
ニノたちから伝言、
『待ってるから!
リーダーのいない現場は寂しいよ』
だって!
あとね、声聞きたいって言ってたから
電話、してあげて。
絶対喜ぶから!」
俯く俺の頭をポンポンと軽く叩いて
翔ちゃんは帰って行った。
翔ちゃんが触れた部分を触る。
不思議とイヤな気持ちはしなかった。
入院してた間…
俺は男の人に触られるのを
極端に嫌がったらしい。
男性の医師や看護師の姿に怯え、
暴れることもあったらしい。
結果、主治医は女性に替わり
部屋にも女性の看護士や心理士しか
来なくなった。
でも…翔ちゃんに触られたのは
イヤではなかった。
あんなことを知った後なのに
変わらない翔ちゃんが不思議だとも思った。