第4章 悪い夢 side O
枕元に置かれた自分のバッグをあさる。
邪魔な点滴を無理矢理外し、必死に
バッグの中に入れた目的のものを探す。
ようやく見つけたのは…ナイフ。
最初に暴行を受けたときに買って
ずっと隠してた。
ようやくその出番が来た。
視線は暗い部屋で鈍く光る
刃先に向かっていた。
みんな、ゴメン!迷惑かけて…。
…ごめん…。
ナイフを首筋に宛てようとした
そのとき…。
S:「智くん!ダメ!」
っていう叫び声が聞こえ
凄い力で腕を押さえられ
ナイフが手から剥ぎ取られた。
カランとナイフが床に落ちる音が
聞こえた…。
呆然とする俺。
でも死ねなかったことだけはわかった。
なんで?
……あんなこと知られて
生きていけない…。
俺なんかがこのままいちゃダメだ。
その思いだけがうずまく。
「おねがい……おねがいだから
………死なせて………」
泣きながら願う。
『バチン』
頬が衝撃とともに熱くなる。
やがて痛みに変わる。
S:「智くんのバカ!」
翔ちゃんが泣いてた。
ニノも、相葉くんも松潤も泣いてた。
翔ちゃんはそれ以上何も言わなかった。