• テキストサイズ

しあわせはここにある【気象系BL小説】

第17章 Rolling Days


大野side

報道が出てからひっきりなしに
震え続けるスマホ。

そんなに多くないはずの友達や関係者から
メールが入り続ける。

心配するもの、様子を探るようなもの、
あからさまに揶揄するもの…。

スマホが震えるたびに
責められる気分になる。

無自覚だったが故に、
じわじわと効いてくる…。

専務から叱責され、あいつのことを全部
洗いざらい話すように言われて…。
全部話した。

土曜日の開演前に囲みがあるから
その時に最後に時間を取ると言われた。

そこで決別するようにと…。

それ以外は普通にしてろと。
コンサートには影響させるな
とも言われた。

だからリハは頑張ってこなした。

動きは硬かったし間違いも多かったけど、
そこについて誰も触れなかった。

むしろ、なんとかいつも通りに戻そうと
頑張ってくれていた。

リーダーなのに年上なのに…
大事なコンサートの前に…
みんなに気を遣わせてる
自分が情けなかった。

リハが終わって、楽屋でケータリングに
箸をつけるけど、
正直、食欲なんて無かった。

でも食べないと皆が心配するから無理矢理
口のなかに放り込んだ。

なんの味も感じない食事。
でも…自分のせいなんだ…。

だから…みんなに
心配はかけないようにしなきゃ。

ホテルに戻るバスでは帽子を目深にかぶって
寝た振りをしてた。

みんなの視線がなぜかすごく怖かった。

S:「智くん、ホテル着いたよ?」

翔くんの手が肩に触れる。
いつもと変わらない暖かな手。

縋りつきたいと思う気持ちを閉じ込める。
それはやっちゃいけないこと…。
/ 1081ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp