第17章 Rolling Days

櫻井side

ようやくある程度溜まったお湯に
智くんを入れる。

脱力した身体…。

「智くん？ほら、お風呂浸かるよ？」

O:「ん？…しょぅ…ちゃ…ん？」

「ほら、身体、あっためないと？ね？」

浴槽に座らせるものの、
そのままじゃ沈んじゃいそうで恐い。

そのままには出来なくて結局、
後ろから抱き締めてお湯をかけ続けた。

お湯に浸かった肌が桜色に染まり始める。
暖まった証拠にホッとした。

「智くん？起きてる？
　こんなのところで寝たらダメだよ？

　出るから立って？」

声をかけても相変わらず反応が薄い。

とりあえず立たせて自分に凭れさせながら
傍にあったタオルで水分を拭う。

自分も軽く拭いて、
もう一度智くんを抱き上げて
ベットにつれていく。

ベッドの上にそっと降ろす。

ねぇ、智くん…いったいどうしたの？
なんであんなことしてたの？

心の中で問いかけても…答えは聞けない。

頭を切り換えて勝手知ったるなんとやらで
荷物から下着とスエットを出して
なんとか着せる。

その頃には智くんの寝息が聞こえた。

とにかく今は寝れるなら寝てほしかったから
ベッドサイドの明かりも消して扉を閉めた。

部屋に置いてあるバスローブを借りて
さて、と一息。

濡れた自分のスエットを着て部屋に戻るのも
どうかと思うし…。

仕方なく、スマホの緑のアイコンを
タップした。