第17章 Rolling Days
櫻井side
バスルームは洗面台の灯りだけついてて
風呂場は真っ暗だった。
ただシャワーの水音だけが
さして広くないバスルームに響く…。
ある種、異様な光景に
体か一瞬フリーズする。
浴室の照明のスイッチを入れると智くんが
バスルームの床に座り込んでいた。
スエットを着たまま上から降り注ぐ
シャワーでずぶ濡れのになってる。
とにかく、出さないと
と思ってドアを開けた。
降り注ぐシャワーで
湯気が立ちこめているはずのバスルーム。
しかし現実は違くて…。
智くんの身体は降り注ぐ水で
冷えきっていた。
シャワーを止めて智くんの体を抱き起こす。
「智くん?智くん!わかる?
なにやってんの!
こんなことして!
身体冷えきってるじゃん!」
O:「翔ちゃん?なんで…いるの?」
胡乱な目をして俺の方に顔を向ける智くん。
とにかく冷えきった体を温めるのが先。
少し温度を上げたシャワーをかけながら
濡れた服を脱がせる。
智くんは抵抗することもなく
されるがままになっている。
俺も着ていたものを脱ぎ捨てて
濡れたままの智くんを抱き締め
背中を擦る。
同時にバスタブの蛇口を全開にして
お湯を落とす。
なかなか溜まらないお湯にイライラしつつ
ひたすら智くんを擦りつづけた。