第17章 Rolling Days
櫻井side
部屋のインターフォンを鳴らす。
が、応答がない。
もう一度鳴らしてみたがやはり応答がない。
どうしようかと考えあぐねていると…
廊下に人影が見えた。
このフロアーは貸し切りで、関係者と
ホテルの人間ぐらいしかこない。
時間的にホテルの人間とは考えづらいし…。
A:「翔ちゃん!」
耳慣れた明るい声。
顔をあげるとそこには相葉くんがいた。
A:「リーダーの部屋、開かないんでしょ?
これ、使えるよ?」
相葉くんの手には名刺大の
プラスチックのカード。
それにはホテルのロゴが描かれている。
それを俺の方に差し出した。
A:「フロントでね、
リーダーと部屋交換したんだけど
鍵もらい忘れたって言って、
新しい鍵、貰ってきちゃった!
さすが嵐さんだね、
すぐ信じてもらえたよ?」
イタズラが成功した子どもみたいに
ニコニコしてる相葉くん。
「なんで、わかったの?」
A:「なんとなく?勘かな?うん」
さすが、ミラクル雅紀!
カードを受けとると、にっこり笑う雅紀。
A:「じゃ、戻るね?
向こうもそろそろ終わるから。
…大ちゃんのこと、よろしくね?」
そう言って相葉くんは足早に戻っていった。
後ろ姿に頭を下げて、カードキーを差し込み
智くんの部屋に入った。