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しあわせはここにある【気象系BL小説】

第17章 Rolling Days


櫻井side


多分さ、
ぶつけずにいられなかったんだろうなぁ
それほどに好きでいてくれたんだろうなぁ
と思うと…切なくなった。

アイドルだって一人の人間で
俺たちにだってそれぞれの人生がある。

でもアイドルとして夢を売り、
彼女らの理想の人であることで
稼いでる身としては…
やっぱり今回の件はやっちゃいけないこと
だったんだろうなぁ…。

ってことは俺たちの同居の件もやはり
今後も守り抜かなくちゃならない
トップシークレットなんだと改めて思った。

初日の挨拶…。
智くんの声を言葉を聞きながら
なんとも言えない気分になってた俺。

いや、それはきっと俺だけじゃなくて
雅紀も和も潤も同じだったんじゃないかと
暗がりの中、僅かな明かりの影に見える
3人の表情を見て思った。

1日目のライブを終えて衣装のまま
バスに乗り込み宿舎にしている
ホテルに向かう。

いつもならライブ後の興奮で
うるさい位のバスの中も
今日は微妙な空気に包まれていた。

宿舎に戻って初日の軽い打ち上げを
する予定でみんなで集合したけど…
あの人だけいなかった。

近くにいたマネージャーを捕まえる。


「ねぇ、あのさ、智くんは?」


マ:「え?あっ…その…
   疲れているみたいなので
   部屋で休んでます」


「それ、ほんと?それとも事務所命令?」


いつもよりも低い声で、
目に力を込めて睨み付けるように聞く。


マ:「半分は…」


迫力に負けたのかぼそっと
マネージャーが白状する。

事務所命令で謹慎扱いか…。

智くんの声が聞きたいと思った。


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