第16章 Don't be discouraged!
二宮side
日常が戻ってきた気がする。
おかしくなってた歯車がようやく
噛み合った感じ。
みんなで笑いながら食卓を囲んで、
それぞれ仕事に行って…。
当たり前の事が当たり前で無くなったとき
その【日常】の大切さを感じるんだな。
まぁ…智がまだ、上海だからある意味、
日常の非日常な感じだけど。
夜中、生放送のあとに急いで帰ってきた
翔ちゃんを潤くんと二人で出迎えた。
潤くんは予告通り、番組終わりに
翔ちゃんにメールを送ってた。
帰ってきて翔ちゃんがデレた顔で
お礼を言ってるのが面白い。
翔ちゃんに先に部屋に行ってろって
言われた潤くんが素直に部屋に行くのを
見送り、再びゲーム画面に目を落とす。
風呂から出てきた翔ちゃんがなんか
言いたそうな顔してるように見えた。
「翔ちゃん?疲れたの?
潤くん待ってるし…やすんだら?」
S:「あぁ…うん…」
珍しく歯切れの悪い翔ちゃん。
「どうしたの?」
S:「あのさ、俺、潤にあんな風に言ったのに
まだ、伝えられてなんだ…智くんに」
「あぁ、仕方ないんじゃない?
智、1度集中しちゃうと携帯鳴っても
気がつかないじゃん?
そもそも、向こうで携帯繋がるように
なってるかさえ怪しいし」
S:「繋がるようには…なってるよ。
昨日、メール来てたし」
「うそぉ、あの機械音痴が?」
S:「説明書き…渡したし」
「わざわざつくったんだ…愛だね」
智が分かるように作ってるこの人の姿を
想像したらなんか…優しい気分になる。