第16章 Don't be discouraged!
二宮side
翔ちゃんの相変わらずな寝相とイビキに
いつもよりも早めに起きてしまった
月曜日の朝。
欠伸をしながら翔さんの部屋を出ると
まーくんの部屋から潤くんが出てきた。
ちょっと驚いた顔をした潤くん。
M:「おはよう、和。昨日…翔さんのとこ?」
嘘をついても仕方ないから頷くと、
潤くんの顔が柔らかくなった。
M:「よかった…」
「え?」
潤くんの予想外の一言に驚いた。
「『よかった』って…?」
M:「俺さ、自分のことでいっぱいいっぱいで
和に重い荷物…押し付けちゃったから。
全部吐き出して、俺は楽になったけど…
今度は和がって思ったから…」
ボソボソと話す潤くん。
あーなんだろう?
俺、やっぱりみんなのこと好きなんだわ。
こうやって自分のことを置いて
俺のことを心配しちゃう潤くんも…
いつも笑顔で、時にはバカやって
空気を変えて俺たちのために
頑張りすぎるまーくんも…
どこまでもお兄ちゃんで時にはちゃんと
叱ってくれてそのあとフォローまで
しっかりしちゃう翔ちゃんも…
一見頼りなさそうだけど、いっつも静かに
見守って、本当に必要な一言をくれる
強くてでもまもってやりたい智も…
ほんと、俺大好きなんだって
なんか急に思った。
ひとりだったらとっくに
この世界を辞めてる。
でもみんながいるから、やれるんだって。
だから、潤くんのことも皆で越えよう。
智が戻ってきたら話そう。
きっと全てが上手く行く気がする。