第16章 Don't be discouraged!
二宮side
「相葉さん、帰ってきてんの?」
S:「さっき帰ってきたよ?
今、風呂入ってるよ」
「そっかぁ、詳しいことは
潤の口からの方がいいかな?
驚くと思うけど、叱らないであげて」
S:「ん?やっぱりなんかあったの?」
「うん…」
どうしたもんかな?
潤が話す前に話しておくべきか…
それとも…潤が話すのを待つべきか…。
どっちの方がいい?
S:「和?潤の事でしょ?
俺、聞いといた方がいい?
それともそのままの方がいい?」
そうだ、この人、変なところは抜けてるのに
俺らの事になると鋭いんだった。
ちょっと考えて口を開く。
いつものバッグを手元に寄せて、
中から出した。
「これ…」
S:「薬?」
「うん、眠剤…潤が使ってたやつ…」
S:「潤、寝れなかったの?」
ひとつ頷く。
「あん時とは違うけど…俺、怖くて…」
声が震える…。
そんな俺を翔ちゃんが包み込んでくれた。
S:「和?大丈夫だよ?きっと大丈夫。
さっき、下で見た潤は昨日までより
ずっとスッキリした顔してたよ?
和がどうしたかは聞かない。
でもさ、和也のやったことは
間違ってないよ。
だから怖がらなくていい。
和が感じた怖さはわかるから。
でも、潤はそこに行かない。
お前がちゃんと気付いて
手を差し出したから大丈夫だから」
翔ちゃんの体温が昨日から感じてた不安を
少しずつ溶かしてくれた。