第16章 Don't be discouraged!
二宮side
「そろそろ、帰る?」
受け取った薬をバッグにしまって、
潤くんに声をかける。
M:「こっちも終わったからいつでも平気」
キッチンを片していた潤くん。
エプロンを外しながらリビングに来た。
「おっし、んじゃそろそろ帰るか」
M:「うん。和、ここまで何で来たの?
タクシー?」
「いや、車。下に停めてる。
そっかぁ…。どうやって帰る?
それぞれの車で帰ってもいいんだろうけど
なんか…ねぇ?」
正直、一人にしたくないんだよなぁ…
潤のこと。
俺の車、置いて行くしかないかな?
M:「和の車、乗ってってもいい?」
潤の言葉にちょっと驚いたけど、
「もちろん」と答えた。
駐車場で俺の車を見ながら
潤くんがしみじみと言う。
M:「前から聞きたかったんだけどさ、
なんでこれを選らんだの?」
目の前にある俺の愛車。
国産の小型車。
ちょっと前までCMキャラクターを
やらせてもらってた車を買った。
「お前らの車、いかにも芸能人じゃん?
こんなの乗ってると思う人
そうそういないから、
案外、カモフラージュになんのよ?」
M:「そういうもん?」
「そういうもんです。で、乗るんでしょ?」
M:「もちろん。
あっ、寄って欲しいところが
あるんだけど…」
「りょーかい」
そう言って俺たちは車に乗り込んだ。