第16章 Don't be discouraged!
二宮side
そこまで言われて…
嫌だって言える奴がいるのかなぁ。
少なくとも俺には無理だわ。
だから潤くんの唇が離れた瞬間、
言っていた。
「いいよ…。教えてよ。
潤くんがどれだけ俺の事、好きかって。
どれだけ愛してるかって」
お湯が揺れて、
潤くんが廻した腕に力が入る。
ぎゅっと抱き締められて
潤くんの鼓動を感じる。
腰の部分に当たるモノがなによりも
正直に潤くんの心を教えてくれる。
前にある潤くんの左手をそっと握り
自分の口許に寄せた。
濡れたその手の薬指の部分に
小さく口づける。
M:「和?」
「ふふ、契約」
M:「契約?」
「そう、engagement(エンゲージメント)
いままでもこれからも潤が大事で
俺たちはずっと一緒っていう契約」
M:「ずっと?」
「ずっと。
俺とだけじゃないよ。
みんなと『嵐』とも…ね?」
M:「みんなと嵐と?」
「そう、
おれと潤と智と翔ちゃんとまーくんと。
あと、嵐っていう大きなものと。
だから、その嵐を護るためには…
一人で抱え込んじゃだめなの。
ここも元気じゃないとダメなの」
身体を捻って少し潤くんのほうに向き
胸の部分に手のひらをあてる。
「わかる?」
こくんと頷く潤の頬を涙が落ちる。
「泣くなよ。
ごめん、気付けなくて…。
なんとなくわかってたのに…
手を出せなくてごめん…。
ね、教えて…おれに…
潤の愛してるを…」