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しあわせはここにある【気象系BL小説】

第16章 Don't be discouraged!


松本side

ずっと誰かの一番になりたかった。
でもダメで…。

翔さんも智くんも、ニノもまーも…。
誰の一番にもなれない自分。

だから…コンサートだけは譲れなかった。
あれは俺の領域だと。
俺の一番で…俺が一番で…。

それなのにその一番さえも俺の手から
零れそうで、壊れそうで…。

怖かった。
でも言えなかった。
言えるわけない…一番になりたいと
一番になれないと拗ねる自分を
見せるわけには…いかない。

でも…和の言葉がそんな俺の固まった
汚いものをどんどん綺麗にしていく。

俺、何を見てたんだろう?

翔さんも智くんも、まーもニノも…
別にそれぞれの相手だけを見ている訳じゃ
ないの知ってるはずなのに…。

翔さんも智くんも、いつも俺のこと
見ててくれて…なにかあれば
直ぐに来てくれるし…守ってくれる。
そうだ、いつも自分たちよりも俺を…
俺たちを優先してくれるふたり。

まーと和もそうだ。
あの二人は空気を読むのが上手いから…。
タイミングよく声をかけてくれたり
場を和ませてくれたり…。

一人で一番になりないと思って
一人で頑張ってるつもりだったけど…違う。

いつも周りで支えてくれてたんだ…。

なんで気がつかなかったんだろう…。

そんな俺を和は抱き締めて言った。

「今の俺の一番は潤だよ」って。

それで充分だと思った。
そうだ…。

その瞬間、瞬間を大事にして
大切な人たちと、大事な人と過ごせれば
そこに順番なんて必要なくなるのに…。

自分の考え次第…なんだ。
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