第16章 Don't be discouraged!
松本side
確かに言った気がする…。
あの時は…一人、傷ついてるのに
それを隠して、なんでもない顔でいて
それなのに突然倒れて…。
すごく心配して…。
気付けなかった自分が情けなくて
不甲斐なくて…。
あんなことがあってそれまでよりも
ずっとすっとよく見てるつもりだったのに
苦しんでるのに気付けなかった。
翔さんの時も…苦しむ上の二人を
何とかしたくて…。
みんなみんな傷ついて目の前の現実に
押し潰されそうで、5人がバラバラに
なるんじゃないかって、不安で…。
そうだ、確かに言った。
苦しみは1/5、喜びは5倍に…。
そう思い、願ってきたのは自分。
なのに…忘れてた。
で、心配させて、裏切るような真似を…
してるんだ…俺は…。
「ごめん…和。俺…」
言葉が続かない。
申し訳ない気持ちがいっぱいで
どう言っていいかわからない。
和は俺を抱き締めてゆっくりと言う。
N:「思い出した?」
うんと声を出さずに頷く俺。
N:「あの時、俺に頼れって言った潤と
同じ気持ちだよ、俺。
ねえ、覚えてる?
俺さ、もともと裏方志望なんだよ?
巻き込めばいいじゃん?
コンサート隊長って言われてるからって
全部、一人で背負う必要ないじゃん?
辛いならさ、言えや。
そんなことでお前を見捨てる
俺らな訳、ないだろ?
見くびんなよ、そんなヤワじゃないだろ
俺たちの関係は!」