第16章 Don't be discouraged!
松本side
後から後から溢れ落ちる涙。
止まらなくて和にしがみついて泣いた。
もう隠しきれないのは解った。
だから…言わなくちゃいけないんだよな…。
自分から言わなきゃって思うけど
その声は嗚咽になってちゃんと喋れない。
泣きすぎて頭が痺れる。
そんな俺を宥めるように和が根気強く
俺の背中を撫で続ける。
和の手のひらから優しい気持ちが
伝わってくる気がした。
さんざん泣いて…。
ようやく落ち着いた頃、和の声が聞こえた。
その言葉に導かれるように俺は話した。
スタッフに言われたこと…ファンの反応…
コンサートに関わるのが
苦しくなってること…。
そしてそんなことを皆に言ったら…
見放されると……思ってしまったこと。
疑心暗鬼になって、
些細なことで皆を疑って、
その度にそんなわけないと否定して…。
そんなことを繰り返しているうちに
大好きな皆に離れていかれたらって
思ったら不安で不安で…
寝るのが怖くなったこと…。
和はずっと聞いててくれた。
ただ俺のことを抱き締めて
その存在を…体温を…伝えてくれる。
N:「潤くん…。
辛かったね?
ひとりでずっと頑張ってたんだよね?
気付いてあげられなくてごめんね。
潤くん一人に背負わせてごめんね…」
話し終えた俺に和は優しい言葉をくれる。
また、涙が溢れてて…
もうどうしていいかわからなくなった。