第16章 Don't be discouraged!
二宮side
潤くんが苦しそうに言葉を重ねる。
ある程度は想像してたけど…
その想像を越えていた。
潤くんだけじゃなく
俺たちも信用しているスタッフ…。
この業界、人の入れ替わりは激しいし
批難や中傷なんてよくあることだけど…。
こんなに売れる前からずっと一緒に
コンサートを創ってきたスタッフに
そんな風に思われてるなんて
想像もしなかった。
確かに潤くんは【コンサート隊長】
なんて言われてる。
潤くんがコンサートを作り上げる際の
嵐の司令塔になっている。
これはもう、否定のしようの無い事実。
でも、そこにメンバーの思いやアイディアが
入っていない訳がない。
俺たちだって散々意見を出しあっている。
それを纏めて昇華させるのが潤くんなんだ。
「ねぇ、なんでさ、言わなかったの?
そのこと。
智や翔ちゃんに相談したら
こんなにぼろぼろになるまで傷つかずに
苦しまずに済んだんじゃない?」
M:「言えなかった…。
だって言ったら…智くんも翔さんも
自分たちのこと放り投げてでも
なんとかしようとしてくれる。
二人とも今、すごく忙がしいのに…。
こんなことで迷惑かけられない…。
これぐらい自分で乗りこえないと
いけないのに…」
ギリギリのところで踏みとどまろうと
頑張ってるのが解りすぎるぐらい
わかってしまって切なくなる。
抱き締める腕に力が籠る。
どうしたらこの繊細な心を癒やせるだろう?