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しあわせはここにある【気象系BL小説】

第16章 Don't be discouraged!


二宮side

こんな時間なのにツマミをつくると言うJ。

勝手に押し掛けたのに申し訳ないから
断ったけど…潤くんの性格上
それを良しとはしない。

なのでそのまま、任せることにした。

ふとソファーを見ると、
几帳面なJにしては珍しくバッグが
乱雑に置かれてた。

バッグの口から溢れた荷物をせめて
中に戻そうと目をやる。

…ん?

なんだ、あれ?

悪いとは思ったけど胸騒ぎの方が優った。

そっと手に取る。

処方薬の袋。

内服薬って書いてある。
1日1回1錠 就寝前?

なんの薬だ?

袋を見ると薬剤名が書いてある。

チラリとキッチンに目をやって、
素早くスマホに指を滑らす。

『デパス』と入力するとすぐに出てきた。

なにこれ…。
抗不安薬?うつ病、神経症…。
依存性がある…?

見てるだけで不安を煽る単語を
羅列しているディスプレイ。

処方の回数を見ると…
鬱じゃなくて睡眠障害…?

慌てて袋の中に残る錠剤の数と
処方日からの日数を照らし合わせる。

錠剤の方が少し少ない。

これ、どういうことだ?
嫌な予感しかしない。

そう言えば昼間、
寝ちゃって出るのが遅くなったって
言ってなかったっけ…。

急に無音の空間にいるのに
耐えられなくなってオーディオに
歩みよりスイッチを入れる。

流れるジャズにホッとしたのも束の間
オーディオに隠れるように置かれた白い袋。

こっちは少し前に処方されたもの。
中身は…減ってなかった。

ちょっと安心したけど…。
やっぱり、放っておけない。

ここに来た判断は間違ってなかったと思う。

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