第16章 Don't be discouraged!
二宮side
M:「え?なんで」
そりゃ、そんな反応するよね。
うん、想定内。
だから、手にした袋を
オートロックのモニターに映して
極めて明るく言う。
「智と翔ちゃんの邪魔できないじゃん?
潤くんとサシ飲みさたかったし…
ね、つべこべ言わず入れて?」
ちょっと寂しそうな顔をつくってみる。
ため息が聴こえて…
オートロックが開いた。
「ありがとう」
聞こえたか判らないけど一言
言って中に入った。
エレベーターに乗り、
潤くんの部屋に向かう。
計ったようなタイミングで
潤くんの部屋のドアが開いた。
綺麗に整えられた玄関。
「お邪魔しまーす」
そう言って玄関に入る。
俺が靴を脱ぐのと入れ違いで
潤くんが玄関の鍵をかけた。
天井まであるシュークローゼット。
白の艶のある扉が
スタイリッシュな印象を与える。
はじめて来た訳じゃないけど
ついキョロキョロしてしまう。
M:「リビング、あっち」
「ん、疲れてるところごめんね?」
そういう俺に少し疲れた顔で笑うJ。
M:「いいよ、ニノから来てくれるなんて
珍しいしね?」
「そんなことないでしょ?」
M:「あるよ、お前、オフとかでも
外、出ないじゃん?ゲームばっかりで」
「ゲームは好きだけどみんなの方が
もっと好きだよ?」
言いながら俺はビニールから
酒やツマミを出した。