第16章 Don't be discouraged!
松本side
「大丈夫だよ…。
相変わらず翔さん心配性だなぁ」
S:「心配するのなんて当たり前だろ?
そうじゃなくてもお前真面目で
思い詰める方だし…。
カワイイ弟の心配は兄貴の特権なの」
最後の方は冗談めかしてたけど…
翔さんの気持ちが痛いほど伝わって…
思わず全てを吐き出したくなったけど
グッと我慢した。
「『兄貴の特権』ね…。
ほら、翔さん、一番上の兄貴が
心配そうに見てるよ?
行かなくていいの?」
S:「あっ智くん!」
ものすごい嬉しそうな顔。
さっきまでの兄の顔じゃない、あまーい顔。
どっかの女優がみたら一発で堕ちるな。
S:「今行くよ~」
そんな俺の思いとは裏腹に無邪気な顔で
少し前にいる智くんに向かって叫ぶ翔さん。
11時間生放送やって
まだこんな大声出せるの?
櫻井翔、恐るべしだな。
そのまま、周りに挨拶しつつ、どんどんリーダーの所に向かう翔さん。
ようやく追いついたと、思ったら何かを耳打ち。
なぜかリーダーに背中を叩かれてる。
俺はそれをみながら何か入れない
絆のようなものを感じた。
あんな光景、よく見るのに…。
なんでだろう?感じる疎外感。
翔さんはそのままどこかに行ったみたいで
振り返ったリーダーがいつもの柔らかい
笑みを湛えた顔で立ち尽くす俺をみた。