第16章 Don't be discouraged!
松本side
会場につくと入り口付近で
視聴者向けの煽り映像撮り。
こうやって視聴者を
引き付け続けるんだよなぁ
なんて、ちょっと
皮肉めいたことを思う。
もちろん、顔はキラキラの
アイドルスマイル。
これぐらいは朝飯前。
というかこれが出来なきゃ
アイドルなんてやってられない。
その後、会場内に設けられた
楽屋へと入る。
今回も会場の関係でうちの事務所と
某女性アイドルグループと
某ダンス系グループにそれぞれ
大型の控え室が割り当てられた。
それ以外の皆さんは小さい部屋か
近くの関連施設を使うという方式。
まぁ、自分の出演部分が終われば
帰ってOK形式だからこそだと思う。
控え室に着くと既に後輩たちがいた。
口々に挨拶に来る後輩たちと喋りながら
時間を潰す。
途中、翔さんが顔を出した。
その瞬間の大野さんの顔がヤバくて
俺たち3人でめっちゃ焦って…。
そうこうしているうちにどんどん
事務所の人間が集まってきて
控え室は物凄い人口密度。
何組かはシャッフルメドレーの
リハって言って部屋を出て
リハーサル室に避難したぐらいだった。
俺は今年はTOKIOの太一くんたちと
関ジャニ∞の無責任ヒーローをやる。
そんなに複雑な振りじゃないし、
振り合わせも太一くんが早々に
切り上げちゃったからかなり適当。
正直、俺の苦手なパターンだけど…
年功序列のうちの事務所…。
故になにも、言えなかった。