第16章 Don't be discouraged!
二宮side
そりゃわかんないでしょうよ。
俺だって分かんないんだから。
あんな風に見られる
翔ちゃんに嫉妬したのか?
それとも純粋に気持ちを表してる
あの人に嫉妬したのか?
その両方か…?
「ごめん、俺の八つ当たり」
素直に謝った。
A:「まぁいいけど…なんか悩んでる?」
うわー相変わらずこの人、
変なところで勘がいいよなぁ。
「いや、平気よ、特になにもないよ」
A:「ほんとに?
なんかあったら言うんだよ?」
にっこり笑う相葉さん。
ありがとうって思いつつ
そこは素直になれない俺。
「相葉さん、これ、持ってって」
そう言って手に持ってた皿を押し付ける。
A:「おーちゃんの?」
「そうです、あとこれも」
相葉さんの手にしてたトレイに
コーヒーを2つと
オレンジジュースを載せる。
「先に持ってって食べさせといて」
トレイに載ったオレンジジュースは
まーくんのお気に入り。
素直にありがとうを言えない
俺なりの精一杯。
それがわかったのか
まーくんはふざけたように
先に行けと言われたことに抗議する。
A:「え?俺のは?」
「ちゃんと持っていきますから!」
A:「はーい。じゃ、先いってるよ」
相葉さんの背中を見送って
トレイに皿を置き
相葉さんの好きなものを皿によそう。
自分の分は適当に…。
ケータリング担当のスタッフから
「ほんと、仲がいいんですね?」
って言われたけど、どう答えていいか
わからなくて曖昧な笑みを浮かべて
会釈して部屋へ戻った。