第16章 Don't be discouraged!
二宮side
画面が切り替わり、出演者の歌唱シーンに
なったのを見計らって声をかける。
「大野さん?飲み物いります?
それともケータリング持ってくる?」
O:「うーん…うん。いる。
和と一緒のものがいいな」
ちょっと迷ったあと
甘えるようにいう大野さん。
「俺と一緒でいいのね?
んじゃ、取ってくるわ」
暑くなってくると食欲が落ちるから
放っておけない。
普段なら翔ちゃんとかJが甲斐甲斐しく
動いてるけど今は二人ともいないからね?
そういえば相葉さんは?って思ったら
別の部屋で振りの確認をしてた。
「まーくん、ケータリング取りに行くけど
どうする?」
A:「あっ行く行く!腹へったもん。
あれ?おーちゃんは?食べないの?」
「食べるって。でもさ、動きそうにないから
私が持っていきます」
視線をテレビの前から
微動だにしない人に向ける。
相葉さんも釣られてそっちに目を向ける。
A:「あーナルホドね。あれは動かないね。
めっちゃ真剣で可愛い」
猫背の背中を見ながらいう。
目線はそのままで一言呟いた。
A:「翔ちゃんいいなぁ…
あんな風に見てもらえて」
その一言がなんかちょっとムカついて
思わず蹴りを入れてやった。
A:「痛て!なにすんだよ」
「知るか、バカ!」
そう言ってそのまま廊下に出た。
そんな俺を追い掛けてくる相葉さん。
A:「ニノ待って。俺、なんかやった?」
訳わかんないよって顔に書いてある。