第16章 Don't be discouraged!
二宮side
階段を上がり、緑のモザイクが嵌められた
ドアをノックする。
「まーくん?入るよ?
もう出るけど準備出来てる?」
A:「和!もう、時間?」
「入り時間までは、だいぶ余裕があるけど
智さんが早めに入りたいんだって」
A:「あぁ…翔ちゃんか」
「うん、二人とも最近、忙しいからさ。
淋しいんじゃない?」
A:「俺たちも…でしょ?」
したり顔でいうまーくん。
ええ、私も淋しいですよ。
「忙がしいのはありがたいんだけどね?」
言いながらまーくんの足元にある
バッグに目をやる。
「あんたさぁ、今日の番組、
そんなに荷物必要だったっけ?」
日帰りの仕事にしては
明らかに大きすぎるバッグ。
A:「あぁ、これ?」
バッグを手に持ったまーくん。
出よ?っていうような素振りを見せて
ドアに向かう。
A:「今日終わったらさ、
かざぽんとゴルフなの」
事も無げに言うがそれなに?!
「はぁ?お前、なに言ってんの?」
A:「まぁまぁちょっと聞いてよ。
あのね、かざぽんに聞いたのよ、
誕生日、何がいいって?
そしたらさ、
『鷹の台カンツリー倶楽部で
プレイしたい』って言われたの。
千葉にあるゴルフ場なんだけどね?
簡単にプレイ出来ないゴルフ場なの。
でもさ、どうせなら叶えたいじゃん。
まぁ俺も興味あったんだけどね?
で、コネ辿りまくって、スケジュール
調整してようやく明日なら出来るって
ことになったわけ。
ただ時間早目だから近くに前泊するの。
で、これなの」
まーくんの説明が終わる頃には
リビングについてた俺たち。