第16章 Don't be discouraged!
二宮side
この頃、潤くんのテンションが低い気がする。
心ここにあらずって感じの事が多い。
なんだろう?熱量が低い。
もちろん、収録とかで
それを出すことはしない。
その辺は当たり前だけどプロだ。
でもなんだろう?
全てを遮断するような、
オフモードな時間が多い気がする。
いつもならそんな潤くんの様子に気がつく
上の二人がそれぞれ忙がしすぎて
気が付かない。
相葉さんも然り。
ドラマが終わって一段落かと思えば
そうでもない。
相変わらず、番組ロケに収録やCM撮影、
ラジオに生放送ととにかく忙しい。
今、一番レギュラーを持ってるのは
相葉さんだから…。
俺は映画やドラマがあるとは言えどちらも
ビックリするほどゆっくり撮っているので
それが見えてしまった。
なにが原因か?ずーっと探ってる。
でも見えないなかでなんとなく、
これかな?って思ったのが
コンサートがらみの
報道やネットの声だった。
潤くん、繊細だから。
もちろん、それだけじゃない。
毎回、その時のベストをストイックに
追求して、時にはぶつかりながらも
本当に良いものを創ってるって
自負もあるからその分、辛いんだと思う。
一緒に創ってる俺たちやスタッフさん
関わる人たちの顔を一番見てる人だから…。
その人たちの想いも含めて
全て受け取っちゃうから…。
しかも本人、外向きがドSキャラだから
凹まないとでも思われてるみたいだし…。
「ほんと、止まないなぁ…」
モノクロの外を見ながら…呟いた。