第16章 Don't be discouraged!
二宮side
そもそも決めた当時、スタッフが行った
シミュレーションが甘かった。
もともと交通の便はあまりよくない。
その分、コンサートで大きな音を出しても
問題なく、広さも充分。
復興の手伝いになると
イベントも企画出来る。
良くも悪くも
大きな影響力を持つようになった
俺たちだから社会的意義も含めて
いいものを発信したくて受けたオファー。
なのにだ…。
この開演時間の変更1つ取っても
ネガティブな記事が出た。
政治家の圧力だのなんだの
もう、うるせーって言いたくなるぐらい…。
潤くんはファンの皆をおもって、舞台を、
コンサートを作っているのに…。
開演時間を早めたのもファンのみんなが
安全に帰れるようにっていう配慮だし
それで演出が変わることも理解した上で
決断したんだ。
そんなことで潤くんは怒らない。
当たり前だ、そんな小さな変更ぐらいに
いちいち怒ってたら
コンサートなんて作れない。
まして、野外の会場。
ドームでのコンサートとは作りが違う。
常に天候や周囲の状況の変化は充分に
想定にいれて作ってる。
30分の繰り上げで潤くんが
怒ることはなかった。
もちろん、その30分の差で
出来ることと出来ないことがあるから
そこは再検討が必要になったけど
潤くんはその難題を解くことを
嬉々として行っていた。
なのに…だ。