第15章 Always thinking about you…
大野side
翔ちゃんの瞼が小さく振るえて、
ゆっくりと開かれる。
S:「智くん、おはよう」
いつも通りの君の声。
「翔ちゃん、おはよう」
おはようなんて時間じゃないけどね?
「よく眠れた?」
S:「うん、ものすごくよく寝たよ。
隣からマイナスイオンが出てるんだよ?
これでよく眠れなかったら逆に凄いよ」
笑いながら言う翔ちゃん。
「今、何時だろう?」
S:「8時半…。って結構寝てたんだ、俺ら。
智くん、お腹すかない?」
「空いた」
S:「じゃ、下行こうか?」
ベッドを降りた翔ちゃんが伸ばす手に
おいらの手を重ねた。
小さく微笑みあって、二人で部屋を出る。
階下からいい香りがする。
翔ちゃんのお腹が盛大な音を立てて…
二人で笑う。
その声に気が付いたのか階下から
声がきこえる。
A:「あっ起きた!」
M:「二人とも丁度声掛けようと思ってたんだ」
N:「鍋にしましたよ。
これなら大野さんも食べれるでしょ?」
「だーかーらー、病人扱いすんなよ」
S:「いや、あの熱なら…ね?」
N:「でしょ?しかもあなたに
黙ってるつもりだったって…。
どんだけ無自覚なの?て話でしょ?」
「あっ和、言うなよ!
言わないって言ったじゃん!」
N:「だーかーら、私は一言も翔さんには
言ってませんよ?
ねえ?」
翔ちゃんに同意を求める和。
S:「確かに誰からも聞いてないよ。
ってか隠す気だったの?
あの状態を?」
「うっ…だって…その…」