第15章 Always thinking about you…
大野side
翔ちゃんを無理矢理ベッドに誘って…
そっからの記憶がない。
多分、寝ちゃったんだな?
人の気配がした気がして起きたけど…
部屋には隣にいる翔ちゃんだけで…。
気のせい…だったのかな?
薄明かりの下、隣の翔ちゃんの寝顔をみる。
顔に掛わかった前髪を少しかき上げると
穏やかな顔が見えた。
なんかホッとした。
きっと今回の件で悩み傷ついた心が
治ったなんて思わないけど…
それでも少しずつ治るように
その手助けが出来るようにと強く願う。
辛かったときに傍に居れなかった自分。
いつも支えてくれる翔ちゃんの
支えになりたいって
ずっとずっと思ってるのに…。
後悔が付きまとう。
「ごめん」という一言を口にしそうで
そのたびに何度も何度も押し込める。
そう、ごめんは何も産まないから。
ただ後悔だけを増大させるだけだから。
責めてても仕方ない、
そう言ったのは潤くんだ。
みんなで翼を広げて翔ぶって決めたから。
自分の心も強く持たなくちゃ。
翔ちゃん、お願いだから辛いときは言って。
おいらが解決することは
出来ないかもしれないけど
側にいて同じものを見ることは出来るから…。
いつでも側にいるよ。
いつも君の事を考えてる。
いつも君のとなりにいるから…。
おいらの側にいて…。
声にしたら起こしそうだから…
髪を撫でる指にすべてをこめる。
髪をかきあげ、見えた額に小さくキスをする。
どうかもう、君が傷つかないように…。
君の決意がぶれないように…。
願いを籠める。