第15章 Always thinking about you…
二宮side
大野さんの様子を見に行くと言った
まーくんがダイニングを出て暫くすると
翔さんが降りてきた。
どうしたんだろうって思ってると…、
リビング横の戸棚の扉をバタバタしながら
こっちに声をかけてくる。
S:「潤、氷枕ってどこにあったっけ?」
M:「氷枕?
その戸棚の真ん中の薬箱の横にある
コンテナボックスの中に
入ってるはずだよ?」
S:「え?あ、あった!」
M:「智くん、また熱が上がったの?」
S:「上がったかどうかはわからないけど…。
今、8度1分あるからクーリングした方が
いいだろ?って雅紀の指示」
そのままキッチンに入ってきた翔さん。
「ふーん。
あっ翔さん氷枕の他に用意するものある?」
翔さんが不器用な手つきで
氷枕に氷を入れながら答える。
S:「あっ、ポカリあるっけ?」
「あるよ。今用意するね?」
ポカリをストローボトルに容れて
翔さんに渡す。
S:「サンキュー、和」
そのまま階段に向かう翔さんに
潤くんがタオル片手に駆け寄る。
M:「これも持ってって」
さすが潤くん、気遣いの人だね。
両手に荷物を抱えて翔さんが階段を上がるのを
二人で見ていた。
そのまま立っててもしょうがないから
また、二人でダイニングに戻る。
M:「『雅紀の指示』だって。珍しくない?」
「それはどっちが?」
M:「『どっちが?』って?」
「だから、指示を出すまーくんと
それに従う翔さん」
M:「どっちも…じゃね?」