第15章 Always thinking about you…
大野side
うちの弟たちは…。
相葉ちゃんからの突然のキスに
絶句するおいら。
そんなおいらに更に間髪を措かずに
翔ちゃんの唇が降ってくる。
「翔…ちゃん?」
S:「消毒!」
「翔ちゃん…」
そうだ…翔ちゃんも
うちの弟だった…んだよね?
あぁもう…ほんと、おいら弟たちに
やられっぱなしだよ。
長男の立場ないじゃん?
ちょっと恨みがましい目で
翔ちゃんをみる。
翔ちゃんはすこし開き直って言い放つ。
S:「いいの。
だってさみんなもっと
ワガママになれって言うし…ね?」
「それ、違うと思うけど…」
多分…、いや…、絶対
そう言う意味じゃないと思うけど…。
S:「いいの、いいの。
ほら、もう、黙って、少し寝なよ?
これ以上熱が上がったら
ほんと辛いし…ね?」
そうかもしれないけど…納得できないよ。
だってさ、翔ちゃんも疲れてるよ、顔。
やられっぱなしもちょっと…
いや、かなり嫌だ。
身体を壁側に寄せて開いたところを叩く。
「翔ちゃん、いっしょに寝よ?」
S:「へ?」
へ?じゃないよ。
わからないの?
おいらも甘えていいって言われたしね?
「いいでしょ?
翔ちゃん、あんまり寝てないでしょ?
イケメンが台無しだよ?ね?寝よ?」
にっこりと笑いかければ翔ちゃん、
おいらの言うこときいてくれるでしょ?
おいらと寝たら安眠は保証できるよ?
顔色悪い翔ちゃんを見てたくないよ。
S:「…ん、わかった」
案外、簡単に折れてくれた翔ちゃんが
身体を滑らせる。
氷枕をもう一度おいらの首の下に
入れてくれて…胸をトントンって軽く叩く。
鼓動のようなリズム。
凄く心地好くて、隣にある体温が
色んなモヤモヤを包み込んで消し去るようで…
フワフワした気分のまま、眠りに落ちる。
翔ちゃんにも同じように穏やかな時間が
訪れることを祈りながら…。