第15章 Always thinking about you…
大野side
指先から伝わる優しい気配に
身を委ねるようにして雅紀が紡ぐ言葉を聞く。
A:「苦しくなったらね、
ちゃんと言うからその時は聞いてね?
でもね、それは今じゃないよ?
俺、元気じゃない大ちゃんに
寄りかかれないよ
だから早く元気になってね?」
やっぱり雅紀は優しいね。
ちゃんと聞くから…話してね。
それを待ってるから。
翔ちゃんが氷枕を持ってきて
おいらの頭の下に入れる。
首もとに触れる冷たさに声をあげてしまう。
翔ちゃんと相葉ちゃんはそんなおいらを見ながら
お医者さんみたいなことを言ってる。
「なんかさ、二人だけで通じあってるみたいで
ズルい…」
ふたりには聞こえないぐらいの小声で言ってしまう。
S:「文句言わないでおとなしく寝てて」
そう言ってベッドを離れようとする翔ちゃん。
なんで?せっかく帰ってきたのに…。
「ねぇ?行っちゃうの?」
なんか淋しくて口を出た言葉。
いいよね?熱のせいってことで…。
A:「だってよ?翔ちゃん、居てあげれば?
大ちゃん、俺、下にいるね?」
男前な笑いを浮かべて言う相葉ちゃん。
次の瞬間、柔らかいものがおいらの口を塞ぐ。
S:「雅紀、お前!」
驚いたおいらの声に翔ちゃんの
叫び声のような声が重なる。
そんなの気にする素振りも見せない相葉ちゃん。
A:「大ちゃん、早く元気になってね?
で、甘えさせてね」
そう言って再びおいらの唇にキスを落とす。
さっきよりも長いキス。
S:「おまっ!」
A:「ご馳走さま!
翔ちゃん、これぐらいいいよね?
お邪魔虫は退散するね」
相葉ちゃんそのまま笑いながら
部屋を出ていった。