第15章 Always thinking about you…
大野side
A:「大ちゃん?熱は?顔、まだ、赤いよ?」
相葉ちゃんの綺麗な指がおいらの額に伸びる。
ほんと、心配性だよなぁ、うちのみんなは。
そう思ってるとあっという間に
体温計を差し入れられる。
音をたてる体温計。
自分で抜いて消しちゃおうと思ったのに…
素早く相葉ちゃんの手のなかに
収まってしまう。
これじゃ誤魔化せないじゃん。
相葉ちゃんは体温計を見ながら
素早く翔ちゃんに指示を出してる。
いつもと逆だね?
相葉ちゃんがすごくお兄さんに見える。
「雅紀、本物のお医者さんみたい…」
思わず溢れた一言。
そうだよね?ドラマでやるんだよね?
既に色々、研究、はじめてるんだよね?
相葉ちゃん、努力家だし真面目だから…。
やりすぎて体を壊さないか心配だよ。
翔ちゃんがいなくなった部屋で
おいらを心配そうに見る相葉ちゃんと
目が合う。
熱が辛いの?って聞く相葉ちゃん。
おいらの心配よりさ、相葉ちゃんは平気なの?
声に出して聞いてみる。
「それより…雅紀は平気?」
A:「え?俺? …至って元気だよ?」
元気って言ってるけどほんとは?
「体は…でしょ?心は?
ドラマ、プレッシャーになってるでしょ?
翔ちゃん、『雅紀に甘えろって言われた』
って言ってたけど…。
じゃ雅紀は誰かに甘えてる?
ちゃんと苦しいときに苦しいって言えてる?
雅紀は優しいし我慢強いから…
おいら心配なの」
優しい優しい相葉ちゃん。
その優しさを少し自分に向けて欲しい。
いつもひまわりみたいに笑ってるけど…
雅紀自身はどうなの?
A:「大ちゃん…」
吐息のような呟きの相葉ちゃんを
ベッドから見上げた。