第15章 Always thinking about you…
大野side
翔ちゃんの男らしい指が髪の毛を梳く。
その心地よさに包まれたまま
翔ちゃんの声を聞く。
後悔と謝罪と決意に満ちた言葉。
もう、謝らないで。
翔ちゃんは悪くないから。
翔ちゃんの広い背中に手を滑らせる。
言葉の代わりに気持ちが伝わるように…。
もう、いいから。
もう、大丈夫だから。
みんなで越えようね。
みんなで進もうね。
ちゃんと、支えるから。
ちゃんと、守るから。
二人、なにも言わずそのまま
お互いの温もりを感じていた。
そのままどれくらいの時間が経ったのか?
僅かだったのかそれとも
ものすごく長い時間だったのか?
判らないけど…。
扉をノックする音に、
止まってた時が動き出す。
A:「大ちゃん大丈夫?」
心配そうな相葉ちゃんの目。
みんな心配し過ぎじゃない?
「雅紀?うん、大丈夫だよ」
相葉ちゃんの顔をみたら
なんかさっきまで引っ掛かってたことが
すーっと溶けて自然に言葉が出た。
「雅紀、翔ちゃんのこと、
連れて帰ってきてくれてありがとう。
雅紀はスゴイね、雅紀のおかげだね?」
A:「そんなことないよ、俺、
なにもしてないよ」
「なにもしてなくないよ。
翔ちゃん、もう、大丈夫でしょ?
雅紀が行ってくれて…よかった」
そう、やっぱりね、あの時のことを考えたら
相葉ちゃんが行ってくれたのが
正解だったんだと思う。
S:「うん、雅紀のおかげだと思う。
俺一人じゃ…」
A:「そんなこと…」
素直に感謝の言葉を口にする翔ちゃんを見て
これで良かったって思えた。