第15章 Always thinking about you…
二宮side
翔さんの謝罪と決意を込めた言葉を聞く。
ほんと、この人、頭が良いくせに
こういうところが馬鹿だなって思う。
俺たちが翔さんを責める訳ないじゃん?
でも「逃げない」って言う言葉に
心境の変化が見えた。
きっと、まーくん効果だよね?
前を向ければ大丈夫だもんね?
だから俺も伝えなくちゃ、翔さんに…。
「翔ちゃん…あのね?確かに心配はしたよ?
スゴくね、スゴく心配したよ。
でもね…迷惑はかけられてないよ」
当たり前のことを伝える俺に
驚いた顔の翔さん。
「なに鳩が豆鉄砲くらったみたいな
顔してるの?
迷惑なんてかけられてないよ?
だって辛いのは翔ちゃんでしょ?
あんなの急にしかも一人で聞かされて
平気な人、そうそういないと思うよ?
俺たちだって4人で聞いても
キツかったし…。
でもさ、一人で悩まないで俺たちに教えて
欲しかったし巻き込んで欲しかった…。
だってどのみちわかることでしょ?
ってかさ、仲間じゃん?俺たち。
少なくとも、
私はそう思ってるんですけどね?」
解ってそうで解ってないこの人に
釘を指すように伝える。
巻き込めと、一人で悩むなと、
もっと頼れと…。
「翔ちゃん、今回の件、ひとつ貸しね?
高くつくから…覚悟しといてね?」
これぐらい言っとかないときっとズルズル
引き摺るから、この人。
なんか、奢ってもらうかな?
潤くんも話したいだろうし、
俺は退散することにする。
「まーくん、わたしにもコーヒー」
キッチンでコーヒーを用意来ている
まーくんに声をかけながらリビングを出た。