第15章 Always thinking about you…
松本side
智くんの部屋を出る和を見送る。
電話の相手はまーらしい。
そろそろ帰ってくるのかな?
朝よりは顔色のよくなった智くん。
でも、頬の紅さは隠せない。
まだ、熱あるよね?きっと。
汗もかいてるし、とりあえず着替えを出した。
シャワー位ありかと思ったけど…
ふらつく智くんを見て、止めた。
ばつの悪さを隠すように俺の手から
着替えをもぎ取る智くん。
かわいいよなぁ。
なんて、思ってたら携帯が震える。
和からのメールだった。
サッと目を通して着替えてる智くんをみる。
うん、和の意見に賛成だな。
「智くん、
ちょっと事務所に電話してくるから…。
おりこうにしててね」
O:「子どもじゃないから!」
念のため、一言伝えて智くんの部屋を出た。
自室にいるとしばらくして
控えめなノックの音。
和の顔をみて、そっと部屋を出て
二人で階下に向かう。
そこにはオレンジの光のなかに佇む
翔さんがいた。
しばらく続いた沈黙を破った翔さん。
その翔さんに自分の気持ちを素直に伝える和。
そんな二人を俺は静かに眺めてた。
言うだけ言った和がリビングから
キッチンに行く。
その後ろ姿を見ながら、
翔さんの発する一言を待つ。
けど…一向に発する気配はない。
ほんの少しの時間がものすごく長く感じて
結局沈黙に耐えられなくなった俺が口を開く。