第15章 Always thinking about you…
二宮side
しばらくしてエンジン音がして、
二人が帰ってきたのが分かった。
リビングから階下の玄関に向かう。
鍵を開ける音が聞こえたから…
俺から扉を開けた。
突然開いた扉にビックリした顔で
固まる翔さんといつも通りのまーくん。
固まったままの翔さんに
まーくんが声をかける。
ようやく動いた翔さん。
すごく緊張した顔、してる。
翔さんとまーくんの間でどんな話があって
どうやって答えを出したかは解らないけど
帰ってきたってことはきっと何かしらの
答えが出たってことだろう。
それならその答えを聞いて
受け止めなくちゃ…。
玄関にいても仕方ないから
とりあえずリビングに行く。
小さい声で「ただいま」という翔さん。
どうか自分を責めないで…と思う。
夕陽が綺麗なオレンジ色の光を放ち、
部屋を染める。
オレンジの光に明日をみんな元気に
迎えられるようにと祈る。
上の階を指さし、
翔さんが話したいであろう人を
呼んでくると伝え階段を昇る。
潤くんの部屋の扉を小さくノックして、
二人が戻ってきたのを伝え、階下に向かう。
緊張した面持ちの翔さんが口を開く。
でも…続かない。
俺もなにを言うのが正解なのか分からなくて…
潤くんも黙ったままそこにいた。
沈黙を破ったのは翔さんの謝罪の言葉だった。