第15章 Always thinking about you…
二宮side
「ふーん、なるほどね?
いま、一番翔さんの近くにいるまーくんが
そう判断したならそれでいいんじゃない?
Jにも言っとくね」
それでも素直じゃない俺は
こう言うのが精一杯だった。
A:『あっ、うん。ありがとう。
そろそろ翔ちゃんのマンション
出るから…』
まーくんの優しい声音を聞きながら言う。
「りょーかい。気を付けて帰っておいで。
待ってるから…」
そう、待ってるよ。
ここで待ってる。
約束通り、信じて待ってるから。
乗り越えるために…。
A:『うん、じゃあ』
まーくんはそう言って電話を切った。
とりあえず潤くんに伝えた方が良いよな?
でも…智さん、どうしよう?
まだ智さんのこと聞いてない
翔さんにいきなり現状を突き付けるのは
キツいよね。
でも、帰ってくることを部屋に言いにいけば
智さんは間違いなくリビングに降りてきて
何もなかった振りをするに違いない。
そんなの火を見るより明らかで…。
ならと潤くんの携帯にメールをする。
今話した内容を伝えるために…。
さりげなく自分の部屋に戻ってて欲しいとも
書いた。
大野さん、気がつくかもしれないけど
それでも…。
少しでもマシな方法を模索した
結果がこれだった。
そして、そのままリビングに降りた。
間もなく帰ってくる二人を迎えたかったから。