第15章 Always thinking about you…
松本side
部屋を覗くと目を覚ましたのか
上気した顔の智くんが起き上がろうとする。
「まだ、寝てて」
ベットに近寄り言う俺に体を起こしながら
智くんが的はずれなことを言う。
O:「大丈夫。おいら病人じゃないし」
「充分に病人だよ?昨日の過呼吸に熱に…」
O:「心配し過ぎだよ」
「お願いだから熱が下がるまでは
大人しくしてて?
なんか食べれそうなら
今持ってくるから…」
O:「食べるなら…下で食べたい。
ここで一人で食べるの、やだ…」
あ、その気持ち
わからなくないんだよなぁ。
感染性のものでもないし…。
「じゃ、下に行く?」
O:「潤くんありがとう」
勢いよく立ち上がろうとする
智くんを制する。
「慌てて立つと眩暈起こすでしょ?」
普段は平気だけど…今はね?
O:「うん、そうだね?」
ここは素直だった智くん。
過去を考えれば…ね?
部屋に置いてある半纏を着せかける。
「暑かったら脱いでもいいから
とりあえず冷えないようにしよ?」
O:「はーい。潤くん、母ちゃんみたい」
「智くんが息子?」
O:「やだ?」
「やだなぁ、それ。
だってさ、それじゃ
手ぇ出せないじゃん?」
瞬間、顔を真っ赤にする智くん。
O:「潤くんの…ばか」
こういうところはほんと、
変わらず可愛いよなぁ。
「ほら、下行こう?」
無理矢理話題を変えて
智くんの肩に手を回し、部屋を出た。