第15章 Always thinking about you…
二宮side
少し元気になった智さんの様子に安心して
翔さんたちの話をしたのが
いけなかったのかもしれない。
潤くんと沈黙に耐えられなくて、
適当なことを話してた。
そしたら…突然、粗い息遣いが聞こえて…。
目の前で智さんが真っ青な顔して
肩を上下させながら喘ぐように息をしてる。
その光景にフリーズする。
止まった俺に渇を入れるように
潤くんの声が耳に届く。
M:「和、過呼吸だ!」
座ってた椅子から立ち上がり
智さんの横に行く。
「智さん?智?大丈夫だから。落ちついて!」
M:「智?聞こえる?大丈夫!深呼吸するよ」
薄い背中に手を回し宥めるように
何度も何度も擦りながら声を掛け続ける。
「智、ほら、息吸うよ。すーって」
M:「うん、そうだよ、すーって吸って」
「上手だよ、そうもう一回吸うよ」
M:「大丈夫、傍にいるからね?」
O:「か…ず…。じゅ…ん…」
粗い息の間から微かに俺たちを呼ぶ。
「いるから!そばにいるから!
大丈夫だから!
ほら、ゆっくり呼吸して」
O:「ん…しょ…ぅちゃ…ん…」
M:「大丈夫、翔さんもちゃんと帰ってくるから」
生理的なものかそれとも翔さんがいないせいか?
智さんの頬を涙が伝う。
呼吸が整い始めた智さんを思わず抱き締めた。
「大丈夫、大丈夫だから…。
辛いんでしょ?泣いていいから。
叫んでもいいから…。
ね?大丈夫…。俺たちがいるでしょ?
俺たちじゃ代わりにならないのは
判ってるよ。
でも…もし少しでも俺たちを大事に
思ってくれてるなら…
今だけでいいから
俺たちの言うこと聞いて…」