第15章 Always thinking about you…
二宮side
やかんの口から吹き出される湯気。
ぼーっと見てたら後ろから手が伸びて
ガスを止めた。
振り返ると潤くんがいた。
M:「大丈夫?
ぼーっとしてたみたいだけど…。
やっぱり疲れてる?」
「あっごめん、大丈夫。
そういう潤くんは?」
M:「疲れてなくはないけど…。
大丈夫だよ。
なに煎れる?
コーヒーは時間的に微妙だよね?」
時計は午前1時をとっくに回ってる。
M:「ホットチョコレートとカモミールティーと
ロイヤルミルクティーだったら
どれがいい?」
「なに、そのおしゃれな選択肢?」
M:「別におしゃれじゃないよ。
こんな時間だし、疲れてるから甘いものか
刺激の少ないものって考えたら
こんな選択肢?
折角お湯も沸いてるし…
ほうじ茶もいいかも?」
「選択肢増やすなよ…。
潤くんに任せるよ。
大野さんは…甘いのがいいかもね?
落ち着くだろうし…」
M:「そうだね?すぐ淹れるから待ってて」
そういうと本当に手早く用意を始めた。
それを見ながら俺も簡単に摘まめるものを
用意した。
潤くんがトレイにマグを3つ載せて
ダイニングに移動する。
俺はリビングの智さんに声をかける。
「潤くんが飲み物淹れてくれたから
こっちに来て」
聞こえてるのか聞こえてないのか?
全く動く気配のない智さん。
ソファーに近寄り手を出して
もう一度声をかける。
「ねぇ、潤くんがホットチョコレート
いれてくれたよ。
体、温まるから…ダイニングに行こ?」