第15章 Always thinking about you…
大野side
動けずにいるおいらに心配そうな顔で
呼び掛ける二人。
降りなきゃ…。
無理矢理体を動かす。
心に引きずられるように重くなる体。
差し出された手を握るのはなんだか
躊躇われて…。
意地になって降りようとしたのに
体がふらついて結局、松潤に支えられる。
N:「J、荷物ちょうだい。先、入ってるね。
大野さん、ゆっくりでいいからね?」
M:「和、悪い、部屋、暖めといて」
ふたりのやり取りを遠いところで
聞いてるおいら。
なんだろう?
水の中にいるような?
幕に包まれてるような?
松潤の腕がさりげなく支えながら
家の中に促す。
今朝、家を出たときと隣にいる人は
変わらないのに…。
全てが変わってしまったような気がする。
世界はこんな簡単に
一変するものだったのかなぁ。
リビングのソファーに座らされて…。
なんか全てがめんどくさくなって。
されるがままにされてる。
「ありがと…」
ようやく絞り出した一言。
松潤は男前な顔で微笑む。
M:「どういたしまして。
俺、着替えてくるから。
すぐ戻るからね?」
そういって荷物を持って部屋に行く。
入れ替わるように上から足音がする。
ニノが着替えて降りてきた。
おいらの顔をみて一瞬、表情が曇る。
すぐにいつもの顔に戻ったけど…。
N:「大野さん、なにか飲みませんか?」
反応を返さないおいらに構うことなく
キッチンに向かう和。
キッチンから音が聴こえるけど…。
全てが遠い。